決議・声明
福岡県弁護士会所属会員に対する刺傷事件に関する会長声明
2012.06.27
平成24年5月22日午前10時ころ,福岡県弁護士会に所属する緒方研一弁護士が,同弁護士事務所の入居するビル内階段上において,ナイフを所携していた男に襲われ,頭部等打撲,両手指切創の傷害を負うという事件が発生した。
福岡県弁護士会の調査によれば,犯人は,同弁護士が受任していた事件の相手方であり,同事件はすでに示談により解決済みであったとのことであるが,どのような経緯であれ,法治国家において,暴力をもって紛争解決を図ることは,いかなる理由があっても決して許されるものではない。
また,本件は弁護士業務に関連した犯行であるが,平成22年にも弁護士業務に関連し,弁護士が殺害される事件が横浜と秋田で相次いで発生しており,弁護士の業務に関連した暴力事件が繰り返されている。基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする弁護士の職務を暴力によって妨害しようとすることは,司法制度及び法秩序に対する重大な挑戦であり,断じて許してはならない。
当会は,今後とも,いかなる暴力行為による弁護士業務の妨害に対しても,決して臆することなく毅然と対処し,基本的人権の擁護と社会正義の実現のために全力で職務を遂行する決意であることをここに表明する。
2012(平成24)年6月27日
鹿児島県弁護士会
会長 新納 幸辰